けんくらVol.129 秋に多い咳の病気とセルフケア(前編)

 

長引く咳、その正体とは?

 秋は空気が澄み、景色も美しく、一年の中でも過ごしやすい季節です。
 しかしその一方で、「咳がなかなか止まらない」「風邪は治ったのに咳だけが残る」といった声が多く聞かれます。
 なぜ秋になると咳のトラブルが増えるのでしょうか。

秋に咳が出やすい理由

🍂乾燥

 秋は夏に比べて一気に湿度が下がります。
 のどや気管支の粘膜は潤いによって外敵から守られていますが、乾燥するとバリア機能が弱まり、ウイルスや細菌が侵入しやすくなります。乾いた空気そのものが刺激となり、咳を誘発することもあります。

🍂気温差

 秋は日中と朝晩の寒暖差が大きいのが特徴です。
 急な冷え込みは自律神経のバランスを乱し、気管支を過敏にさせます。「昼間は平気なのに夜になると咳が出る」という人が多いのも、この気温差が関係しています。

🍂アレルギー

 秋はブタクサヨモギなどの花粉が飛び、咳や鼻炎の原因になります。ブタクサやヨモギは草丈が低いため、花粉は地面近くに漂うのが特徴です。背の低い子どもは花粉を吸い込みやすいので特に注意が必要です。
 また、夏の間に増えたダニやカビが室内に残っており、それが秋口にアレルギー症状を引き起こすこともあります。

🍂夏の疲れ

 冷たい飲み物や冷房で体を冷やし続けた夏の疲れが、秋になって現れることもあります。
 免疫力が落ちていると、呼吸器症状が出やすくなるのです。

咳は体の防御反応

 咳は気道に入った異物を外に出すための大切な反射です。
 ホコリやウイルスなどが気管や喉を刺激すると、脳に信号が伝わり、勢いよく空気を吐き出して排除します。

 咳をすると、口から勢いよく空気と飛沫が飛び出します。日本の研究でも、飛沫はおおよそ 1〜2メートルの範囲に届く可能性がある と報告されています。咳は体を守るために必要な反応であると同時に、周囲に影響を与えやすい症状でもあるのです。

3週間以上続く咳は注意

 風邪による咳は通常1〜2週間で落ち着きます。
 しかし3週間以上続く場合は「長引く咳」と呼ばれ、別の病気が隠れている可能性があります。
 とくに以下のような症状は要注意です。

・夜になると咳が強くなる

・横になると咳き込みやすい

・ゼーゼー、ヒューヒューといった音がする

・会話や運動で咳が出やすい

 これらの症状の裏には、咳ぜんそくが潜んでいることがあります。

咳ぜんそくとは

 咳ぜんそくは気道が過敏になり、少しの刺激でも咳が出てしまう病気です。
 風邪をきっかけに発症することが多く、「咳だけが長引く」のが特徴です。

 喘息のようなゼーゼー音や呼吸困難はありませんが、放置すると約3割の人が気管支喘息に移行するといわれています。

その他の咳

 長引く咳の原因は、ほかにもあります。

<逆流性食道炎>

 胃酸が逆流して気管を刺激し、慢性的な咳につながります。

<後鼻漏(こうびろう)>

 鼻水や分泌物が喉に流れ込み、刺激となって咳を引き起こします。特に夜間や横になったときに悪化しやすいのが特徴です。

百日咳>

 百日咳は激しい咳発作を起こす感染症で、子どもだけでなく大人もかかります。
 日本では2025年に入ってから、百日咳の報告数が急増しており、過去最多水準の流行となっています(国立感染症研究所)
 大学生など若年層でも咳き込みや嘔吐を伴う例が増えており、日本小児科学会は2008年に「大学生における百日咳流行に注意を」と警鐘を鳴らしており、現在でも免疫が弱まる思春期〜成人での感染は問題視されています。

<肺結核>

 かつての病気と思われがちですが、今も年間1万人以上の患者が報告されています。

 「風邪の残り」と思って放置せず、3週間以上続く場合は医療機関を受診しましょう。

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>>次回、けんくら Vol.130は 10月10日(金)深夜24時更新!
「秋に多い喉の病気とセルフケア(後編)」


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背筋を伸ばして立ち、太ももをできるだけ高く持ち上げながら、その場で足踏みをします。
呼吸を止めずにリズムよく、腕も大きく振りましょう。 1〜2分を目安に続けます。(慣れてきたら3分に延ばしても可)

体に痛みを感じたら、すぐにやめましょう。痛みが続く場合は、医療機関を受診してください。

>>次回、けんくら Vol.130は 10月10日(金)深夜24時更新!
「秋に多い喉の病気とセルフケア(後編)」

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