

今回は、Vol.078の続き
乳がん<検診・予防編>です!

前回のはなし(Vol.078)のおさらい
前回は乳がん検診の重要性や具体的な症状・危険因子についてご紹介しました。
今回のお話は…

乳がん検診って、
どんなことをするの?
乳がん検診の大切さが重要とはわかりつつも、実際にどのような流れで検診が進むのか知らない方もいるでしょう。
そこで今回は、乳がん検診の内容・流れについてご紹介します。乳がん検診を受ける前に、検診の流れを把握しておきましょう。
1.問診

問診では、医師がおもに以下の内容を確認します。問診前に医師に回答できるよう、準備をしておきましょう。
・前回の月経時期
・出産の経験
・初潮の年齢
・乳房の痛みの有無
・熱感・かゆみの有無
・血縁者内の乳がん患者の有無
2.視触診と検査

まず、左右の乳房に差や胸のしこり、ひきつれなどがないかを医師が確認します。また、胸だけでなく脇の下も触り、リンパ腺の腫れを確認していきます。
乳がん検診では、マンモグラフィ検査を受けるのが一般的です。マンモグラフィ検査とは、乳房を片方ずつプラスチックの板で挟みながら撮影することで石灰化やしこりを発見できる検査です。乳房を圧迫し、薄く伸ばすことで病変の観察ができます。圧迫時間は数十秒であり、すぐに終わるものの、痛みを感じるケースがあります。
40歳から2年毎の頻度で受診すれば、放射線被ばくによる影響はほとんどありません。1回の検査で乳房が受ける放射線量(0.05〜0.15ミリシーベルト)は一般の人が年間で受ける自然放射線量(約2.4ミリシーベルト)より低いからです。
3.判定

検査後、がんの疑いがないと判定された場合は、2年後の乳がん検診を受けてください。
一方で、がんの疑いがあると判定された場合は、必ず精密検査を受ける必要があります。精密検査の内容は以下のとおりです。
・マンモグラフィ検査
・乳房超音波検査(エコー検査)
・針生検下の細胞診や組織診など
マンモグラフィ検査の場合、おもに以下の内容に該当する人は受診できない場合があります。
・妊娠中・授乳中の方
・ペースメーカーの方
・豊胸術後の方
妊娠中・授乳中の人の場合は乳腺が発達しているため、マンモグラフィ検査では全体が白く映り、正確な診断が難しくなります。そのため、授乳をしている人は、断乳後6ヶ月を目安にマンモグラフィ検査を受診してください。
しこりなどの自覚症状がある場合は、授乳中であっても乳腺専門外来の受診をおすすめします。

【ステージ別】
乳がんの治療方法
乳がんは、進行具合を表すステージ(病期)毎で治療方法が異なります。それぞれのステージによってどのような治療方法があるか知っておきましょう。
1. 0期(ステージ0)
乳がんの0期(ステージ0)は、がんが乳管内にとどまっており、他の組織やリンパ節には広がっていない初期段階です。この段階の乳がんを「非浸潤性乳がん」とも呼び、主な治療方法は手術です。乳房温存手術と乳房全摘手術の選択肢があり、必要に応じてセンチネルリンパ節生検を行います。
術後には放射線療法が行われることが多いです。また、ホルモン受容体陽性の場合は、ホルモン療法が推奨されることもあります。
このステージのがんは、治療後の予後が非常に良好とされ、早期発見と適切な治療でほとんどの場合に治癒が期待できます。
2. Ⅰ〜ⅢA期(ステージ1〜ステージ3A)
乳がんのステージⅠからⅢA期は、がんが乳房内または近隣のリンパ節に広がっている状態です。この段階の治療は手術が中心となり、乳房温存手術か乳房全摘手術が選択されます。手術前に薬物療法を行って、がんが小さくなれば乳房部分切除術ができる場合もあります。腋窩リンパ節への転移があるときには、リンパ節郭清(かくせい)つまり、リンパ節の切除を行います。
術後には、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、あるいはHER2陽性乳がんに対しては、分子標的薬が用いられます。
治療計画はがんの進行具合やタイプによって異なり、がんがリンパ節に広がっている場合は、化学療法や放射線療法がより強く推奨されます。治療後の再発リスクに応じて、長期間のホルモン療法が行われることもあります。
3. ⅢB~Ⅳ期(ステージ3B~ステージ4)
乳がんのステージⅢBからⅣ期は、がんが乳房や周囲の組織を越えて、とくにⅣ期は他の臓器に転移している状態です。治療の目的はがんの進行を抑え、生活の質を維持することです。主な治療法は全身治療が中心で、化学療法、ホルモン療法、分子標的薬が使用されます。
とくに転移がある場合、外科的治療は局所制御のために行われることがありますが、根治を目的としたものではありません。放射線療法や痛みの管理なども生活の質を向上させるために用いられることが多く、患者の症状に合わせた治療が重要です。
4. 男性乳がんの治療
男性乳がんの治療は、基本的に女性乳がんと同様のアプローチで行われ、乳がんの病期に応じた治療法が選択されます。
完全切除が可能な場合、まずは外科手術が優先され、病状に応じて術前または術後に抗がん剤やホルモン治療、放射線治療を組み合わせて行われます。しかし、手術が難しいほどがんが広がっている場合は、薬物療法や緩和ケアを用いてがんと共存する形で治療が進められます。
ホルモン治療に関しては、男性と女性では体内のホルモンの仕組みが異なるため、男性乳がんの場合、治療選択肢が女性乳がんとは異なることがあります。

乳がんは予防できるの?
がんは、細胞の異常が原因で発生する病気です。したがって、細胞の異常を減らしたり、異常な細胞を効率的に排除できる体をつくることが、がん予防の一つの方法です。
肥満(BMIの値が高いほど)が乳がんのリスクを高めるという研究結果があります。とくに閉経後では、その傾向が顕著です。運動によって免疫機能が上がる、エストロゲンの濃度が下がるなどの効果が証明されており、乳がんの予防につながると考えられています。ぜひ運動習慣を心がけましょう。
>>次回、けんくら Vol.080は 10月25日(金)深夜24時更新!
「3人に1人が骨折!骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」をお送りします。

天柱(てんちゅう)は、頭痛や肩こりにおすすめのツボです。首と肩のコリをほぐして頭の血流を促します。とくに低気圧による頭痛の改善に役立ちます。

首のうしろの髪の生え際にあり、中央のくぼみから左右に触れる太い筋繊維の外側にあるツボ。
中指で痛気持ち良いくらいの強さで天柱を3秒押して離すを繰り返しましょう。(症状が改善するまで続ける)

